2007/03/22 Thu 薄紅の花の美しさ

差し出された花水木の一枝を、あの時意味も知らぬまま受け取ったけれど。

(あのまま連れていってくれてもよかったのに)
囁かれることなどなかった情愛の言葉
(触れられたことだって)
一度だってそう、接せられたことなど
(邪を嫌う人だったから)
痛いくらいの透明さで、交わることもなく
(あぁ、なんてあなたらしい)
彼の岸へと流された彼。
(今、あの枝を)
手渡されたのならすぐにでも
(振り捨ててでも傍に居たかった)
(あまりにも短い時間)
ねえだって、受けることと離れることは極端に別意義でしょう？
(どうしてこんな仕打ちをするの)
あなたはそれで満足でしょうけれど。
「想いの代償に居なくなるなんて、これ以上の」
ひどいことはないでしょう？
(日は射すのにあまりにも寒い)

あなたの居ない寂びた社の庭、花水木が染まる頃。



花水木:ハナミズキ
花言葉＝私の想いを受けてください

＋＋＋

2007年01月14日

2007/03/22 Thu つきのよ

白い背 乱れがみ
布の海に横たわり
桜の爪が
笑うように遊ぶ
赤いくちびるで艶然と
なにか呟いた あなた

＋＋＋

2006年10月16日

2007/03/22 Thu じかんとばしょ を

手帳の中のセンチメンタル
思い切って　束　破り捨てましょう
１０年後の約束なんてどうせ忘れるものだから書き込まないでおくよ
だから
その日が来たら電話をください
きっと
指折り数えて待つから

＋＋＋

2006年09月11日